【来る年・来る娘】黒木華 [女優]
「難しいですね。みなさんどうやってポーズをとっているんですか」。
人生初の単独インタビューで、カメラを前に恥ずかしそうにほほえんだ。女優、黒木華(20)は2月10日に東京芸術劇場で開幕する妻夫木聡(30)の主演舞台「南へ」(作、演出・野田秀樹)に出演する。
現在、京都造形芸術大3回生。映画好きの母親の影響で自然に演技に興味を持つようになったという。高校で演劇部に入り、「赤鬼」など多くの野田作品に出会い「ライブで演じることが楽しくて」と夢中になった。
転機は09年に大阪で行われた野田氏のワークショップ。参加資格を得るためのオーディションに挑戦し「体で土を表現する」などの課題をこなし見事合格。「人生で一番しびれた瞬間。演技の世界に入る覚悟ができたかも」と振り返った。
12月下旬から「南へ」のけいこが始まり「うまくいかないことが多いですが、本番の舞台に貢献できるようにしたい」と必死に食らいつく日々。「恋愛? いまは大学よりもお芝居が楽しい。全然ないです」とはにかみながら両手を左右に振った。
透明感あふれる初々しさとみずみずしさを全身から発しながら、「個性を出すより、何でも演じられる女優になりたい」と目標をあげた。「色がないという不思議な魅力がある」と野田氏。これから何色に染まるのか。
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